新任の大田泰示2軍打撃コーチが語る藤井健翔

 夕闇迫るグラウンドにゆっくりと腰を下ろした。巨人のドラフト6位、藤井健翔内野手(浦和学院高)は外野の芝生の上で入念なストレッチを行い、5日の練習を終えた。すでに選手はひきあげている。隣にいたのは新任の大田泰示2軍打撃コーチだった。

「スケール大きくいってほしいと思っています。高卒で、生え抜きで、ジャイアンツの中軸を打つバッターになってほしいと思ってますし、そのように育てていきたいなとは思ってます」

 身長181センチ、体重96キロ。ヤンキースの主砲と同じ背番号「99」の藤井は、恵まれた体格から「ジャッジ」の異名でファンから親しまれている。まだまだ、荒削りではあるが、ロングティー打撃では左翼の防護ネット中段に突きさす当たりを放つなど、ロマンが溢れている。

「まあパワーもそうだし、長打力というところでチームに欠かせないピースになってほしいなと思います。ジャイアンツで長く1軍の中軸バッターというか、中心選手として育っていってほしいなと思います」

 大田コーチも188センチ、96キロの体格を誇る。自身と同じ右のスラッガーとして思いも強い。現在、守備では三塁でノックを受けている藤井だが、先輩選手と比較すると、正確さやスピードではやや劣る。それでも元気は負けていない。大きな声でムードを盛り上げている。

「4番・サード」は巨人の花形…「次世代スターを作れたら」

「サードというポジションを守るというところで、やっぱりジャイアンツのサードといえば、スター選手が数多くいましたので、そのような形でジャイアンツの次世代スターを作れたら、育てられたらなと思っています」。巨人の生え抜き「4番・サード」といえば長嶋茂雄、原辰徳、岡本和真ら、そうそうたる名前が並ぶ。藤井もいつの日か、その系譜に入る逸材であってほしいと大田コーチは願っている。

 ジャッジのようにファンを魅了する大砲になるために――。「課題はまずはプロの生活と環境に慣れるということ。まだまだ高卒なので考え方だったり、取り組む姿勢だったり、そういうところでプロ野球選手らしくなってほしいなと思います。その先に1軍での活躍や、いろんなものが見えてくると思うので」。

 現役時代は巨人で背番号「55」を背負い「ポスト松井秀喜」として注目された大田コーチが、今度は“ジャッジ”を育成する。「背番号99で、彼自身も意識しているようなので、ホームランも打てて、チャンスに強いバッターになってほしいですね」。藤井を語る言葉にも、表情にも優しさが溢れていた。

(湯浅大 / Dai Yuasa)


NPBHUB.COM | The Fanbase of Nippon Baseball & Nippon Professional Baseball