本由伸を“ドラフト指名しなかった”西武の理由「このレベルなら毎年出てくるだろう」源田壮亮もいた9年前のドラフト会議、渡辺久信が明かすウラ側
手、コーチ、監督、フロントとして西武ライオンズの栄光と苦悩を20年にわたり経験してきた渡辺久信。その渡辺がシニアディレクターとして球団フロントにいた2016年ドラフト会議、指名選手決定のウラ側とは。渡辺が野球人生を回想した書籍『獅子回顧録』(カンゼン)から一部抜粋して紹介する。〈全2回の2回目/第1回へ〉
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2位で指名したのが、白鴎大の大型右腕・中塚駿太。当時191センチ102キロの体格で、「いずれは160キロ出ます」とスカウト陣が惚れ込んでいた。化けたら面白い、ロマンの塊である。私も実際に見に行ったが、たしかに素材は抜群。もう少し下の順位で獲れたかもしれないが、他球団の動きも気になっていた。残念ながら、プロではコントロールに苦しみ、在籍4年間で一軍登板は9試合に終わった。
「プロで変わった…」挙げた選手の名前
最近は「ロマン型」という言葉が定着しているが、体が大きくて、球は速いが、コントロールに課題があるピッチャーの評価ほど難しいものはない。指名する方もリスクを感じながらの判断になる。プロのストライクゾーンは、アマチュアとは比べ物にならないぐらい狭く、その中で勝負していくにはスピードだけでは無理があり、変化球の精度も必要になる。高校生であれば、まだまだ時間はあるので、コントロールが良くなっていく可能性はある。これが、大学生や社会人になるとある程度、ピッチャーとしての練習を重ねてきたわけで、プロになってから大きくコントロールが改善されるのは難しいようにも感じる。
そういう意味で、プロで大きく変わったなと感じるのが、2025年にクローザーとして日本一に貢献したソフトバンクの杉山一樹だ。プロ入り当初はストライクを取るのに苦労していたイメージがあるが、ここ数年は自信を持ってストライクゾーンに投げ込んでいる。
じつは、西武と杉山には縁がある。スカウトの竹下潤が、杉山の出身校である駿河総合高(竹下の在籍時は静岡市立商業)の先輩に当たる関係で、彼が高校を卒業するときに三菱重工広島を紹介しているのだ。
仮に西武が杉山を指名したとしても、今のような姿になったかというとそれは誰にもわからない。人の成長というのは、そういうものである。

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