舞台あいさつを終えファンと記念写真に納まる才木(左)と中野(撮影・後藤 正志)
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 阪神・中野拓夢内野手(29)が29日、ドキュメンタリー映画「阪神タイガース THE OFFICIAL MOVIE 2025 ―栄光の虎道―」の神戸市内で行われた公開記念舞台あいさつに、才木浩人投手(27)と参加。球団初のセ・リーグ連覇が懸かる来季に、虎党に「連覇」をNGワードにしてほしいと呼びかけた。過度な重圧を避けるためで、「優勝」を「アレ」と表現した23年の岡田彰布前監督ばりに、選手を代表して訴えた。

 今季限りで選手会長を退任する中野にとって、最後の“大仕事”だった。才木とともに登壇した舞台あいさつで、虎党に異例のお願いだ。イベント終盤、司会者から「(来年は)再び連覇のチャンスが巡ってきました。その部分については…」と話を振られると、やや語気が強まった。

 「あんまり“連覇”って言わない方がいいんじゃないですかね。(前監督の)岡田(オーナー付)顧問が優勝を“アレ”と言っていたように、そういう言葉を使わない方が、(他の選手も)意識はしないと思う。“連覇”という言葉は言わないようにお願いします」

 連覇の難しさを知っているからこその訴えだった。23年は岡田監督が選手へ過度なプレッシャーを与えないよう、優勝という言葉を「アレ」と置き換えて18年ぶりのリーグ制覇、38年ぶりの日本一を達成。しかし、翌24年は巨人に競り負けて2位に終わった。「(連覇を)考え過ぎても呪縛のような感じになりそう。何かしら連覇に対するプレッシャーを感じていた」。両シーズンとも中心選手として戦った当時を回想した。

 それでも、過度な重圧のかからない「優勝(という言葉)は、全然いいと思います」とうなずいた。24年とは違った手応えをにじませているのも事実。「今のチームなら間違いなく普段通りやれば、凄く完成度の高いチーム」と言い切る。今季中軸を担った森下と佐藤輝は、打撃主要3部門でキャリアハイを更新。佐藤輝は打点と本塁打の2冠、村上、才木もカード頭でフル回転してタイトルを獲得した。さらにドラフト1位で立石(創価大)が加入するなど、猛虎の黄金期突入に向けた戦力はそろっている。

 「本当に自分がやるべきことはやればいいかな」と中野。来季も攻守でいぶし銀の輝きを見せるとともに、重圧を軽減する気遣いも含めてチームを支えることで、2年連続のリーグVは自然と近づく。(石崎 祥平)

 ▽岡田監督の「アレ」 初出はオリックス監督時代の10年。優勝の懸かった交流戦で、優勝経験のない選手に意識させないように期間中は「優勝」を「アレ」と言い換え、6月13日の決定まで封印した。22年オフに阪神監督に復帰。10月24日の秋季練習初日で1日限りの「優勝宣言」をした上で、翌25日から優勝決定の23年9月14日までファン、メディアも巻き込んで「アレ」を徹底。スローガンも「Aim!(目標)Respect!(敬意)Empower!(パワーアップ)」の頭文字で「A.R.E.」と趣向を凝らし、同年の「新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれた。

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