今年も数々のドラマが生まれたプロ野球ドラフト会議。高校通算140本塁打のスラッガーで、現在はスタンフォード大学所属の佐々木麟太郎選手をソフトバンクとDeNAがサプライズ指名したことで、世間の注目は佐々木の動向に集まった。そんななか、NHKの野球解説や明治大学野球部の投手コーチも務める武田一浩氏が「一番驚いた」と語ったのは、意外な選手の名前だった。【ドラフト総括 全2回の前編/後編も公開中】
「大川の北海道日本ハムの1位指名には本当に驚きました。指名直後に彼にLINEしたんですけど、返事を見たら、本人が一番びっくりしたようです(笑)」
武田氏が真っ先に名前を挙げたのは、自らが指導する“教え子”の一人だった。明治大の本格派右腕、大川慈英。本命の立石正広(創価大・阪神1位指名)、外れ1位の抽選で平川蓮(仙台大・広島1位)をさらに外した北海道日本ハムファイターズが、「外れ外れ1位」として指名。武田氏は母校の投手コーチとして彼の成長を見守ってきたが、ここまでの上位指名は予想していなかったという。
「練習中にドラフトの話題になったとき、『2巡目ぐらいまでにはかかるよ』とは言っていたんだよ。そしたらまさかの1巡目。外れ外れ1位とはいえ、ドラフト1位は1位ですから。本人も驚いてたけれど、嬉しかっただろうね」
武田氏自身も、明治大から日本ハムの外れ1位としてプロ入りしている。しかも常総学院高校の監督として大川を育てたのは、同期入団の島田直也。様々な思いが交錯して、大川のドラ1には感慨深いものがあったのだろう。最速155km/hのストレートを武器に、大学に入ってから大きく伸びた大川。なぜ武田氏はその1位指名に驚いたのか。そこには、コーチとして間近で見てきたからこそわかる、彼の「現在地」とプロで活躍するための「課題」があった。
「ボールの質自体は、大学球界の中でもトップクラス。それは間違いない。1~2イニングを限定して投げるなら、プロの打者相手でも抑えられるだけの力はすでに持っている。ただ、プロで1年間戦い抜くためのフィジカルが、まだ彼には備わっていない。そこが一番の課題だよ」
武田氏は、大川がプロで大成するための具体的な課題として「体作り」を挙げる。

NPBHUB.COM | The Fanbase of Nippon Baseball & Nippon Professional Baseball