今季最多勝を獲得したDeNAの東克樹。名実ともにエースと言える存在だが、自身はそう認めるために己にあるハードルを課していた。数字だけでは推し量れない、今シーズンの苦闘を明かす。〈NumberWebインタビュー全2回の1回目/つづきを読む〉

 3シーズン連続して結果を出すことの重み——。

 近代野球において先発投手が3年連続して好成績を収めるのは容易なことではない。圧倒的なピッチングスキルに加え、コンディションの維持、長いシーズンを戦う胆力、精神力、そして体力。どれかひとつでも欠落すれば、達成するのは難儀である。

有言実行で最多勝獲得

 横浜DeNAベイスターズの左腕である東克樹は、2年前にこの目標を掲げ黙々と日々を過ごしてきた。そして今季、開幕投手を務めローテーションの中心として24試合、160回1/3を投げ、14勝8敗、防御率2.19の成績を挙げると、一昨年につづき2度目の最多勝を獲得した。有言実行を果たした東は、感情を露わにすることなく冷静な面持ちで言った。

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「3年連続で結果を残すという目標を掲げての3年目、そのなかで1年間先発ローテーションを守り切れたというのは、僕にとって非常に大きかったですね。規定投球回数もクリアして勝ち星も重ねることができたので、自分の役割を果たすことはできたと思います」

 喜びではなく、責任を果たすことができたという思いが滲み出る。言葉の端々や表情から、疲労感が浮かんでいるのがわかった。それほど苦しいシーズンだったのだろう。

 今季、過去の東とくらべ特に違いが感じられたのは、マウンドでの所作振る舞いだ。どんなピンチであっても切り抜ける堂々とした雰囲気を持ちながらも、時折、苦渋の表情を浮かべるなど、納得のいかない不満気な様子が東からは発露していた。

過去2年以上の疲労を感じていた

 そう問うと、東は頷き語った。

「そうかもしれません。今年はシーズン中、過去2年以上の疲労を感じていたし、調子の浮き沈みを強く感じながらどうやってローテを守っていくのか試行錯誤した1年でした。とにかく考えることが多かった。コンディションにしろ、投げ方ひとつにしろ、なにが正解なのか探りながらの1年間だったので、そういった思考が、マウンド上で表情とかに表れてしまったんじゃないかと」

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