日本シリーズは敗れるも、就任1年目で阪神をリーグ優勝に導いた藤川球児監督。中日で常勝軍団を築いた落合博満の再来なのか? 発言録からひもとく。【全3回の2回目/第3回も公開中】※コメントの引用元は特記がない限り、デイリースポーツonline/日付は発言日
虎の指揮官も、オレ流監督・落合博満と同じような談話を残している。記者の中には快く思わない人もいるかもしれないが、甲子園球場は常に満員である。なぜ、藤川球児は好感度を保てているのか。
逆説的になるが、1つ目は落合監督の功績が大きい。試合中にブルペンの状況をテレビに映させる、記者に故障の内容を教えるなど情報公開全盛の時代に、背番号66は一線を引いた。しかも、新聞社を親会社に持つ中日で実行したため、ハレーションは大きくなり、「(マスコミに)嫌われた監督」になってしまった。だが、勝利だけに邁進する指揮官が前例を作ったことで、次世代の監督は情報統制を敷くハードルが下がった。
2つ目はSNSの発達が挙げられる。ファンは何よりも勝利を望んでいる。選手の故障内容や作戦の意図がわからなくても、機密情報の保持がチームにプラスに働くなら、特に問題もない。そのような認識が可視化された。
何でも知ろうとするメディアの姿勢が、必ずしもファンの需要と一致するとは限らないとわかったため、執拗なまでに監督に迫るマスコミが減ったのではないか。優勝しても昭和や平成の頃なら、藤川監督は「愛想が良くない」としてメディアに叩かれていたかもしれない。時代が変わったのである。
3つ目は、藤川監督の「定型文ではないファンへの感謝&啓蒙大作戦」にあるのではないか。
決して落合監督がファンを蔑ろにしたわけではない。口下手なだけで、ファンに対する思いの強い指揮官だった。06年のリーグ優勝時には、東京ドームのお立ち台に上がると、号泣しながらスタンドに向かって深々とお辞儀。「全国のドラゴンズファン、球場に詰めかけてるドラゴンズファンがね、見守るなかでホント、勝てて良かったです」と話した。

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