今季よりロサンゼルス・ドジャースの一員としてMLBの舞台で戦う佐々木朗希(23歳)。大船渡高校の同級生たちが明かす、“朗希への本当の思い”とは?《ノンフィクション2回目/第3回に続く》【初出『Sports Graphic Number』1052号より[同級生たちが明かす]大船渡高校「3年後のグループ通話」/肩書などはすべて当時】

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エースを登板させず、甲子園目前で散った夏。あれから3年、共に白球を追った仲間たちは、4月10日の完全試合に何を思ったか――。

 3年前の夏を沸かせた大船渡ナイン、その主将だった千葉宗幸は一浪して東京都の桜美林大学に進んだ。野球はやっていない。

 千葉によると高校時代、実質的にチームを引っ張ったのは佐々木だった。

「野球についての思考は朗希が群を抜いているので、練習メニューの指示もやってもらいました。あいつは練習で一切手を抜かず、同時に周りもよく見えている。部員それぞれに伝えたいことがあっても、相手のキャラに合わせて伝え方を変えられるところもあって」

“朗希世代のキャプテン”が号泣した日

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 それでも主将という立場が、千葉には重荷になっていた。最後の夏が迫る中、極度の打撃不振に陥り、校門で待ち伏せする報道陣を見るたびに、そっとしておいてほしいと思った。人間関係が濃い田舎町には逃げ場がなく、平穏を好む主将は息苦しくなった。

「当時はムシャクシャしていたんでしょうね。英語のテストの選択問題で、全部同じところに丸をつけちゃって、それで放課後、担任の先生に呼び出されたんです」

 きつく叱られるかと思いきや、かけられたのは温かい声だった。

「おまえ大丈夫か? 野球で疲れているんじゃないのか?」

 その瞬間、涙があふれ出して止まらなくなってしまった。

「先生の言葉で、“ああ、俺は野球がきつくなっていたんだ”と自覚したんです。そこから切り替えを心がけて、またちゃんと野球に向き合おうとしたんです」

【次ページ】 主将の証言「朗希は同期で誰よりも…」

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