阪神・西純矢
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 2019年ドラフト1位の阪神・西純矢投手(24)が投手として来季の構想外になっていることが3日、分かった。球団は2月末に右肘を手術した通算12勝の本格派右腕の復活に期待をかけてきたが、今季中の実戦復帰がかなわなかった。残された道はパワフルな打撃を生かした野手転向で、本人が挑戦の意思を持っていることも関係者への取材で判明した。

 19年ドラフト1位の西純が、プロ野球人生の岐路に立たされている。投手としては、来季の構想外になっていることが関係者への取材で分かった。

 150キロ超の直球と140キロ台中盤のフォーク、さらには多彩な変化球を武器に22年に6勝、23年にも5勝。しかし、この2年はフォームを崩して低迷していた。追い打ちをかけるように、今春キャンプ中に右肘の違和感を発症して2月28日に右肘関節鏡視下関節鼠摘出術を受けた。通算12勝の輝きを取り戻すべく再起を図ったが、今季中の実戦復帰がかなわなかったことで、球団は決断を下した。

 ピッチングのパフォーマンスが上がらない状況を本人も受け止めていたようで、関係者は「打者転向に前向きになっていると聞く」と明かす。2軍施設の室内練習場で打ち込む姿が、複数の選手に目撃もされている。心の準備は、すでにできているとみられる。

 打撃センスも抜群。これまでに、その片りんを示してきた。創志学園(岡山)で高校通算25本塁打を放ち、U18W杯では2本塁打。プロ初完投勝利を挙げた22年5月18日ヤクルト戦では、高橋から初アーチも放った。プロ通算49打数11安打の打率・224は、打撃練習を本格的にしない投手としては非凡だ。まだ高卒6年目の24歳で伸びしろも大きい。1メートル84、98キロの体格を誇る強肩強打の野手が誕生となれば、他球団にとっては脅威になる。

 原口が今季限りで引退し、渡辺、野口が戦力外になった。現状、右のスラッガータイプはチームの最大の補強ポイントで、西純が芽を出せばうってつけの存在になる。関係者は27年からのセ・リーグDH制採用にも触れ、「守備経験の少なさを補うことにもなるかもしれない」と語った。

 投手入団から打者に転向して成功した例は、近年では日本ハム時代に打者になった球団OBの糸井嘉男、元横浜の石井琢朗、元広島の嶋重宣らの名前が挙がる。ただ近年の阪神では16年ドラフト8位・藤谷洸介が18年シーズン終盤から、10年同2位・一二三慎太が12年から、ともに打者に転向したが、大成には至らなかった。とはいえ高いポテンシャルを秘めた西純ならば、新たな成功者になる期待が膨らむ。

◇西 純矢(にし・じゅんや)2001年(平13)9月13日生まれ、広島県出身の24歳。創志学園(岡山)では1年夏からベンチ入りし、2年夏の甲子園初戦の創成館(長崎)戦で16奪三振完封も2回戦敗退。19年のU18W杯では4試合に登板して2勝、防御率1・35。野手としても2本塁打を放ち、最多本塁打選手として表彰された。19年ドラフト1位で阪神入り。1メートル84、98キロ。右投げ右打ち。

 ≪打者へ転向した主な選手≫

 ☆石井 琢朗 足利工から1988年ドラフト外で大洋入り。89年にプロ初登板初勝利を挙げるも、91年オフに野手転向。俊足巧打の内野手として盗塁王4度、97年から5年連続で遊撃手のベストナイン。

 ☆福浦 和也 習志野高から93年ドラフト7位でロッテ入り。入団後すぐに打者転向。「幕張の安打製造機」の異名を取り、01年に首位打者を獲得するなど通算2000安打を放った。

 ☆嶋 重宣 東北高から94年ドラフト2位で広島入り。97年にプロ初登板含む2試合で未勝利。背番号が55に変更され、打者転向した2004年に189安打を放ち、打率・337で2冠とベストナイン。

 ☆高井 雄平 東北高から02年ドラフト1巡目でヤクルト入り。1年目に5勝するなど通算18勝も、09年オフに打者転向。11年から「雄平」の登録名で、14年は打率・316、23本塁打で外野手のベストナイン。

 ☆糸井 嘉男 近大から03年ドラフト自由枠で日本ハム入り。入団から2年間は1軍登板がなく、06年に打者転向。09年から6年連続打率3割&20盗塁。オリックス時代の14年首位打者、16年盗塁王。阪神でも活躍。

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