阪神・原口文仁
突然だが、筆者は「野球の神様」の存在を信じている。取材を通して、何度も〝目撃〟しているから。
まもなく公開される映画「栄光のバックホーム」。故横田慎太郎選手が2019年9月26日の現役最後の試合で披露した、奇跡としか表現しようのないバックホームも、鳴尾浜球場でナマで目撃した。
感動というより、呆気に取られた感じだった。あまりにも、普通のプレーに映ったからだろう。「ボールが二重に見える」という病状を忘れてしまうほど。後世に語り継がれるシーンは、「野球の神様」が手を差し伸べたのだと思う。
引退が明らかになった原口文仁選手の波乱に満ちた野球人生も、短い原稿で安易に書いていいのかと思うほど、大変だったと思う。がんを乗り越えて再びユニホームを着た時点で、努力した男に「野球の神様」は寄り添ったはずだし、甲子園の日本ハム戦(2019年6月9日)でサヨナラ安打を放った瞬間を記者席から見たときは、さすがに涙腺が怪しくなった。
その年のオールスターで一発を放った瞬間、相手のパ・リーグベンチにいた日本ハム・栗山秀樹監督が「野球の神様っているんだな、と話していた」と明かしたこともあった。「神様」はやっぱり存在するのだ。
原口選手の引退を報じた9月29日付のサンケイスポーツ関西版の1面記事も、心に突き刺さった。原口選手のヒッティングマーチのフレーズの一つ一つが盛り込まれていた。あの歌詞は「野球の神様」が作詞したような気がしてきて。
翌30日付の1面は、原口選手の恩師・前田三夫氏(現帝京高名誉監督)を、サンスポ・長友孝輔デスクが取材して、原稿にしたもの。原口選手と親交が深かった、わが後輩・長友デスクの思いもにじんでいた。手前みそながら、2日間、いい原稿ばかりだ。
前田氏が帝京高の監督、というより、高校日本代表監督時代に取材したことがある。もう36年も前のことだ。
甲子園で優勝した帝京高・前田監督が指揮した高校ジャパンは韓国へ遠征。日米韓3カ国対抗戦に参加した。

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