日本ハム・宮西
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 よく「目の奥が輝き放っていた」と、表現することがある。目が生き生きと輝いているように見える様を現す比喩的な表現だが、本当に輝いているように見えた。日本ハム・宮西尚生投手だ。今年6月に40歳の大台に到達し、なおも進化を止めないベテラン左腕から強く感じたのが、今月3日のことだった。

 その日は1軍がナイターゲームのロッテ戦(ZOZO)。午前中に千葉・鎌ケ谷の2軍施設へ向かい、少しだけ時間をもらった。先月1日に出場選手登録を抹消され、この1カ月間を問うと「とにかく走り込みとウエイト。精神的にはこっち(2軍)にいるとリフレッシュできたけど、体力的にはへばるくらいだった」と振り返る。

 今季は開幕から抹消されるまで24試合に登板し1勝1敗11ホールド。防御率1・76と好成績を残していたが、数字とは裏腹に不調を感じ取っていた。7月27日のロッテ戦(エスコン)で延長11回2死満塁から登板。決勝点となる押し出し四球を与え、チームは逆転負けを喫した。抹消されたのはその5日後だった。

 通算3度の最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、歴代最多400ホールドを誇る宮西でも「やっぱり、難しいね。リリーフは」と語る。「投げるための準備は常にするけどトレーニングは“明日も投げるかもしれない”という思いから、勝負どころでしっかり追い込むことができない」と、トレーニング不足がキレの低下につながったという。

 1カ月間、とにかく走り込んだ。ポール間走を走り、下半身をいじめた状態のままブルペン投球。試合前もポール間走をしてから、あえてヘロヘロの状態で登板した。「最後はマジで熱中症だったもん」と宮西。さすがに金子2軍投手コーチも「ちょっと(練習量を)落とそう」と心配するほどだったが、“昭和流”の追い込みの成果もあり、4日のオリックス戦(京セラドーム)で2カ月ぶりのホールドをマークするなど完全復活を印象づけた。

 正直、この時期に落とされたことで気持ちが切れていないか心配していた。ただ、宮西は「落ちたのはただ単に自分の力不足。そこに関しては仕方ない。でも1番ヒリヒリした1カ月間、上におられんかった悔しさはあるよね。後輩がなんとか頑張ってこの順位をキープしてくれている。残り1カ月間、そこだけ結果出て欲しいと思うよね。俺自身が祈る、ほんまに」。心配は杞憂(きゆう)に終わった。その目は本当に輝いているようだった。(記者コラム・清藤 駿太)

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