DeNA・藤浪
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 DeNA担当の記者は今季が開幕するとき、シーズン終盤に藤浪晋太郎投手(31)を取材することになるとは夢にも思っていなかった。

 7月16日に電撃入団発表。そして球界、ファンに驚きを与えた同18日の入団会見。「本当に藤浪が来た」と心震えたことを今でも忘れられない。それから1カ月半が経過し、すでに関連の多くの記事を書かせてもらっている。そしてその中で記者に芽生えている感情は「感謝」だ。

 記者であれば、読者が知らない事実を届け、同じく記事を読んでもらい、感想、反応をもらうことが「冥利(みょうり)」。右腕の取材が始まって以降は、その「冥利」を感じる日々が続く。

 藤浪の一言一言は「パワーワード」となり得る。8月31日の加入後初勝利のあとはピンチの連続について「ああいう場面を抑えてこそ、プロ野球の醍醐味(だいごみ)」と、言いながら「僕は四隅に投げられるコントロールがいい方ではない。とにかく(ストライク)ゾーンに投げることを意識」とコメントした。「コントロールはないけど抑える」の図式。そのマインドの魅力にはまっていく。

 ほかには、阪神時代に同僚だった糸原健斗内野手について「引退していると思っていた」とサラっと冗談をいい、「もう一回(糸原を)こすっておきます」と続ける。

 記者陣がその言葉にどう飛びつくかも理解した発信。こちらもしっかりと記事化しないといけない緊張感に包まれるが、「今日は藤浪が何を話す?」の楽しみは止まらない。

 過去に同じ経験をした選手がいた。前DeNAの今永昇太投手(現カブス)だ。今永の場合は、まだ記者陣の様子をうかがいながら話す藤浪とは違い、記者と、「さあやりましょう!」という感じで「会話のキャッチボール」も巧み。どうやって記事をつくっていくのか、今永自身が「道筋」を立てていた。

 トレバー・バウアー投手も同じ。ただバウアーの場合は英語とあり、細かいニュアンスまで理解できないもどかしさもある。

 いずれにせよ、ここまでの藤浪の「発信力」に感謝し、今後も期待する。現在「中6日」の登板間隔を維持し好投を続ける背番号27。「ネタ」を提供してくれる31歳の魅力をしっかりと伝えていきたい。(記者コラム・大木 穂高)

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