かつて横浜大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)などで活躍し、現在は野球解説者やYouTuberとしても活動する高木 豊氏に注目選手について聞いた。

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――まず、セ・リーグの新人王レースをリードしていると思う選手は?

高木 豊(以下、高木) セ・リーグは不作なんですよね。現在、新人王の可能性がある選手を挙げるとすれば、ドラ1ルーキーの左腕・伊原陵人(阪神)。先発、リリーフの両方で起用されていますけど、社会人出身(NTT西日本)ということもあってか、落ち着いて投げられています。

負けが先行しているのが気になりますが(5勝6敗、8月25日時点。以下同)、チームが優勝する確率が高いので、8勝くらいすればチャンスはあると思います。優勝チームの1勝の価値は、ほかのチームの選手たちよりもクローズアップされますからね。

同じくルーキーで、ドラ3左腕の荘司宏太(ヤクルト)も可能性があると思います。シーズン前半でチームのリリーフ陣が崩壊する中、ひとりで支えたと言っても過言ではありません。最近はほかのリリーフも良くなってきていますが、それまでは荘司に頼る部分がすごく大きかったですし、成績も文句なしです(33試合登板、1勝1敗19ホールド、防御率1.34)。

ただ、リリーフなので目立たないんですよ。過去の新人王を見ても先発ピッチャーのほうが有利です。記者投票であることを考えても、やっぱり目立たないといけません。

――荘司投手のピッチングはどう見ていますか?

高木 彼のチェンジアップは特殊です。ボールがよく抜けますし、投げた瞬間から糸で引っ張られているみたいな抜け方をしていて、バッターも苦労していますね。非常に面白いピッチャーだなと感じています。

広島のドラ3ルーキー右腕・岡本 駿も登板数が多い(33試合登板、1勝1敗1ホールド、防御率2.64)ですが、荘司に比べて重要な場面で投げているわけではないので、価値ある登板の多さを考えると、やはり荘司に分があります。セ・リーグは伊原がリードしていて、対抗馬として荘司という感じですね。

――続いてパ・リーグですが、まず投手についてはいかがですか?

高木 先発ピッチャーでいえば、今シーズンに飛躍した達 孝太(日本ハム4年目)と松本 晴(ソフトバンク3年目)の2人が候補だと思います。リリーフだと、山田陽翔(西武3年目)。この中で話題性が高いのは、達じゃないですかね。

7月31日のソフトバンク戦でプロ入り初の負けを喫しましたが、それまで負けていなかったわけですから(11試合登板、6勝1敗、防御率2.05)。彼は真っすぐに力があるのと、マウンドさばきもいい。若手とは思えないほど堂々としています。

ただ、松本 晴も勝ち星は同じですよね(24試合登板、6勝3敗、防御率2.55)。スライダーが武器で、真っすぐは140キロ台中盤くらいなんですが、打者が差し込まれることも多いです。ソフトバンクも優勝の可能性がありますから、日本ハムと同様に優勝すれば印象が良くなりますし、対抗馬になると思います。

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