
ソフトバンクの終盤戦キャンペーンポスター(C) SoftBank HAWKS
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ソフトバンク球団は8月、リーグ2連覇の懸かる終盤戦を迎え、キャンペーンを始めた。ポスターは福岡市内のいたるところで目にする。ただ、ちょっと待てよと思った。あの男がいないじゃないか。後半戦MVPと言っても過言ではないあの選手だ。確かに打順は下位、固定された守備位置もない。だけど貢献度は凄いですよ。
その男のプレーには心が揺さぶられる。8月下旬に敵地で日本ハムに3連敗した。同23日の第2戦での走塁だ。3点リードされた6回1死、遊撃へのぼてぼての打球を放って全力で一塁ベースを駆け抜け内野安打にした。32歳とは思えないほどの気迫がにじんだ。
「上の人が一塁まで全力で走れば、若い人は抜けない。気の緩んだプレーは絶対に許されない」。試合後、そんな言葉を残したという。誰よりも燃えたぎる闘志を持つが、プレー中は内に秘める。小久保監督が主将だった頃、グラウンドで若手を叱り飛ばす場面をよく目撃した。タイプは反対だが、こちらは“背中”で示す派だ。
ここ数年、チームはFAなどによる大型補強で批判の声も一定数ある。いや、多いと言ったほうがいいだろう。ただ、それは2005年に球団買収した孫正義オーナーが「拡大均衡」を打ち出して以降、不変の方針。強引な外国人選手補強は、SNSのない時代も一定の批判を浴びてきた。雌伏の時を経て常勝軍団へなり得たのは“王イズム”が何たるかを理解し、言葉や行動で自らが指針となる生え抜き選手が時代時代に存在したからだろう。
本人はポスターの9人に選ばれなかったことは不満に違いない。使い勝手がよくて名付けられた「ジョーカー」も聞こえはいいが、守備が固定されなければゴールデングラブ賞が遠くなる弊害もある。それでもすべてを理解した上「9番は年間指定を買っている」とチームの黒子の役割は自覚している。そんな選手が牧原大成だ。
目立たない選手の層が厚ければ、チームはそれだけ強い。ただ、たまにはポスターの中心に据える心意気も見たい気はする。需要はあると思いますよ。 (福浦 健太郎)
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