2025年8月18日11時0分
巨人対阪神 ヒーローインタビューを終えファンにあいさつする阪神高寺(撮影・滝沢徹郎)
<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>
「チャレンジ枠」という言葉を野球ファンはよく使っているようだ。レギュラーが不在で、流動的なポジションのこと。阪神では左翼になる。若手がしのぎを削るポジション争いが、首位快走の推進力になっていると感じる。
藤川監督が先日発した言葉が印象的だった。「本当に選手全員が切磋琢磨(せっさたくま)しながらやってくれている。どの選手の状態がいいのか、楽しく見ながら戦いたいですね」。目の色を変えてグラウンドに出る彼らのエネルギーをビンビン感じ取っているかのようだった。
候補の選手はそれぞれに魅力がある。現在、リードしているのは高寺望夢(22)。この10試合で6度スタメン。卓越したミートセンスがあり、今季2本塁打のパンチ力も備える。17日の巨人戦(東京ドーム)では技ありの決勝打を打ち、敵地ながら初めてヒーローインタビューを受けた。
本職は遊撃中心の内野。内野手らしい軽快な身のこなしやスローイングを随所に見せ、不慣れな守備を「長所」に変えつつある。
それでも固定はされない。定位置をつかみ切るには課題がある。高寺は左打ちだが、対右投手の打率2割9分2厘に比べて左は1割3分3厘。対左の数字がついてくれば出場機会はもっと増えるだろう。
ライバルたちも同じ傾向がある。右打ちの豊田寛外野手(28)と中川勇斗捕手(21)も対右投手の打率が落ちる。それぞれは左も右も、打席機会を十分にもらっている。そこに首脳陣の意図がすけて見える。全員が理解しているはずだ。
左打ちの前川右京外野手(22)は調子自体が上がってこないが、対左の方が打率、出塁率など軒並み高いのが特長。83試合に先発した昨年も、対左の方がわずかながら上回った。左を苦にしないから岡田彰布前監督は使い続けた。レギュラー獲得のキーポイントと見て間違いない。固定されているレギュラー陣はもちろん、左右の区別なく打っている。今季、遊撃で出場機会を増やしている小幡竜平(24)は左対左の方が成績がいい。
ユーティリティーとしても欠かせない熊谷敬宥内野手(29)や島田海吏外野手(29)も今季、左翼でスタメン出場した。2軍にも左翼の候補は大勢いる。かなり気が早いが、横一線で競争が再開される来春のキャンプが今から待ち遠しくなる。【柏原誠】
左前打を放つ中川(2025年8月16日撮影)
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