
オリックス・岩崎
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今季のオリックスにとって、もはや絶対不可欠の存在と言っていいだろう。プロ18年目、岩崎翔投手だ。5月末に中日から金銭トレードで加入後、ここまで19試合に登板して3勝6ホールド、防御率1・93。「7回の男」に定着した右腕は、7日の楽天戦(楽天モバイル)で自己最速の160キロを計測するなど、新天地で躍動を続けている。
160キロ到達の2日前、5日の同戦では両軍無得点の7回1死二、三塁で先発・田嶋を救援。昨季までの自己最速を1キロ更新する159キロを計測していた。「158キロを出した時も、ピンチで出た。ああいう場面じゃないと出ないと思う。タジ(田嶋)も頑張っていたし、その前に投げていた藤平くんもピンチの場面ですごくいいピッチングをしていた。いろんなところから力をもらった感じ」。直前に楽天・藤平が150キロ中盤の直球を主体に、1死満塁を無失点でしのぐ好救援。「影響を受けやすいタイプ」と、相手球団のリリーバーにも感化されていた。
中日時代の22年9月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、今年10月21日には36歳を迎える右腕。「体の張りが取れなかったりとかも感じますし」と、体の変化を感じているからこそ、ケアへの意識、そして探究心も高い。例えば「冷やしてから(筋肉が)固まって、そこから戻すのが嫌になって。一瞬でも筋肉を固めたくなくて、感覚で始めてみたら、悪いことがなかった」と、登板後のアイシングはあえてしなくなったという。さらには「意識的に摂らないと、脱水して筋肉から水分が抜けていっちゃうのでよくない」と、夏に限らず登板日は水を1日に3~4リットルも補給。「年を取ってきたら(影響も)絶対あると思うので。いろいろ探りながら、探しながら対抗していければ」と、加齢に抗いながらハイパフォーマンスを維持し続けている。
159キロ計測の翌日、160キロへの思いを問われ、「大台に乗せてみたい思いはありますけど、ランナーいないところやイニングの頭からいったら、絶対出るもんじゃないと思うんで。きのう(160キロ)いっとけばよかったかな…」と苦笑いしていた。その翌日、実際に成し遂げた大台到達。だが、1点リードを守り切れなかったこともあり、「自分のそんなことよりも、勝ったまま後ろにつなげられなかったのが全て」と唇をかんでいた。それでもNPB通算344登板の背番号40は悔しさを押し殺し、百戦錬磨の男らしく次戦への決意をのぞかせていた。
「もちろんゼロでいければいいですけど、こういうときも絶対ある。次やり返す気持ちだけ忘れないように、新たな気持ちで臨みたい」
移動日を経て迎えた9日のロッテ戦(ZOZOマリン)で、早速次の機会は訪れた。同点の7回に登板し、無死二、三塁を招きながらも相手中軸3人を打ち取り無失点。見事に前回登板の雪辱を果たし、今季3勝目を手にした。「年齢的にも、別に今年で終わってもいい。それぐらいの気持ちで投げているので。チームが優勝するのであれば、自分の体を削ってでも投げたい」と、相当の覚悟を抱いてオリックスに入団。練習の始まりから終わりまで、さらには試合中の登板直前まで後ろをついて学ぼうとする才木ら後輩たちへ、いつまでも偉大な背中を示し続けてほしいと願わずにはいられない。 (記者コラム・阪井 日向)
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