<D・広>4回、適時二塁打を放つ代打・前川(撮影・島崎 忠彦)
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 広島・前川誠太内野手(22)が7日のDeNA戦で待望のプロ初安打、初打点をマークした。ファビアン、末包の2ラン2本で2点差に追い上げて迎えた4回、2死二塁での代打起用に応え右翼線へ適時二塁打だ。試合は先発・森の自己最短3回6失点KOが重くのしかかり5―9で敗戦。借金10に戻り、一夜にして5位に後退した。

 7月28日に支配下登録され、8月5日に初昇格したばかりの若ゴイが、1軍2打席目にして待望の一歩を踏み出した。最大6点差からファビアン、末包の2ラン2本で追い上げて迎えた4回、2死から菊池が左越え二塁打を放った好機で、首脳陣は前川を代打に指名した。

 「必死に食らいついてランナーを還す気持ちでした。フェアゾーンに落ちてくれと思って走った。めちゃくちゃうれしいです」

 DeNAの2番手・坂本がカウント3―1から投じた外角高めの145キロ直球を振り抜くと、飛球は敵地の右翼線で弾んだ。プロ初安打、初打点を刻む適時二塁打。一時、1点差に迫る一撃に前川は二塁ベース上で会心の笑みを浮かべ、三塁ベンチは大騒ぎだった。

 オリックス・西川が目をかける22歳。敦賀気比高の先輩で、広島に在籍した23年春には「キャンプでご飯に連れていってもらい、追い込まれてからの対応を聞きました」。飛躍への原点。育成4年目の今夏に支配下登録された際には、高級時計を贈られたという。

 転機は「3年目の後半」にあった。コーチ陣から打つ方向や相手の球種に意識を置くよう助言を受け、持ち前の才能が開花した。今季のウエスタン・リーグでは一時4割超の打率をマーク。7月のフレッシュオールスターでは、参加選手でただ一人3安打を放った。

 「それまでは形を気にしていた。打つ方向や球種は発想になかったので、自分の中で一番しっくりきました」

 前川の打撃を見守った新井監督は「ハンドリングの良さを持っている。遅かれ早かれ出るだろうと思っていたけど、まさかあの場面でね。育成から頑張って4年目か。その成果が出た初安打だったと思う」と目を細めた。

 「菊池さんみたいに何でもできる、チームに欠かせない存在になりたい。いま一緒にプレーできているので、吸収できるものはしっかり吸収したいです」

 新春の自主トレで師事していた名手・菊池に憧れる期待の新星。前川の大仕事はまだ緒に就いたばかりだ。 (江尾 卓也)

 ◇前川 誠太(まえかわ・せいた)2003年(平15)4月4日生まれ、京都府出身の22歳。敦賀気比(福井)では1年夏、3年春夏の3度甲子園出場。21年育成ドラフト2位で広島入団。1メートル76、69キロ。右投げ右打ち。

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