
<広・中>8回を3者凡退に抑えた辻(撮影・岸 良祐)
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広島の3年目左腕、辻大雅投手(20)が鮮烈デビューを飾った。2日の中日戦で8回にプロ初登板を果たし自己最速151キロを計測して2三振を奪うなど、わずか9球で1回無安打無失点。2022年育成ドラフト3位で入団し今年7月28日に支配下登録。翌29日に昇格していた。試合は今季16度目の零敗を喫し2連勝で止まったが、8月反攻を狙うチームに光を照らす若ゴイが出現した。
背番号98のユニホームが躍動した。支配下登録されたばかりの辻がプロ初登板。0―6の8回に登場し、わずか9球で3者凡退。圧巻デビューに、この日、マツダスタジアムが最高に盛り上がった。
「この舞台で投げることを目指してきた。グラウンドに入った時は、緊張して何も聞こえなかった。投げ終わった時には、お客さんから拍手をもらって、気持ち良かった」
敗戦濃厚な中で、ファンを帰らせなかった。チェイビスを3球三振に仕留めると、次打者・山本への初球に自己最速を1キロ更新する151キロを計測。対峙(たいじ)した3人への初球は全て「一番自信がある」直球で入り、最後は鋭く落ちるチェンジアップを基本線とした。
今季開幕時の最速は140キロ。短期間で大きく飛躍を遂げた要因の一つに「やり方を少し変えた。重量も重く持つようにやり出してから、必然的に良くなっていった」というウエートトレーニングがある。パワー重視でやってきたが「筋肉が付かなかった」と言い、今季は負荷を重視した方法に転換すると、スクワットのMAXが160キロから200キロを超えるまでに上昇。筋肉量も従来より増え、比例するように球速も向上した。直球は、この日も最速を更新するなど常時140キロ台後半を計測し「打者の反応を見ても力が伝わっていると感じる」と手応えを口にする。
失敗も糧にした。「体重を増やしてシーズン中は87キロを維持してやろうと思ってやっていたが、なかなか体にキレが出なかった」。昨季までの2年間とは対照的に、今季は開幕直後から約4キロ減量し現在は84~85キロで推移。「これが自分の中ではベスト」と言うように体脂肪が落ちて筋肉量が増えたことで、パフォーマンスにも好影響が出た。
技術面では、左足の使い方に着目。野村3軍投手コーチ兼アナリストに助言を仰ぎ「プレートを蹴る感覚から、押す感覚にした」ことで重心の位置が安定し球威が増した。
「いい結果が出て、球速も更新できたことはうれしいですけど、満足せずに引き続き頑張りたい」
借金10だが、2位・DeNAとのゲーム差は4しかなく、まだまだ諦める必要もない。育成出身の左腕が8月反攻を狙うチームに、新たな風を吹かす。(長谷川 凡記)
≪22年育成ドラフト3位→今年7月に支配下登録≫
◇辻 大雅(つじ・たいが)2004年(平16)8月29日生まれ、神奈川県出身の20歳。小1から野球を始め、主に投手。中学時代は湘南ボーイズに所属。二松学舎大付(東京)では3年春夏の2度甲子園出場。22年育成ドラフト3位で広島入団。1メートル82、84キロ。左投げ左打ち。
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