2025年7月31日6時10分


















阪神対広島 広島に勝利しナインをタッチで迎える藤川監督(撮影・加藤哉)


阪神対広島 広島に勝利しナインをタッチで迎える藤川監督(撮影・加藤哉)


<阪神5-0広島>◇30日◇甲子園


「ふうん」と思ったのは6回の攻撃から7回の守備に代わる場面だ。

広島・大瀬良大地の変調を受けてマウンドに上がったハーンを攻めて1死満塁。打順は6番・小幡竜平に回る。ここで阪神ベンチは代打ヘルナンデスを送った。結果は押し出し四球。これで2点目を上げ、優勢にした後だ。

誰が遊撃を守るのか。左翼スタメンの高寺望夢か。あるいは熊谷敬宥か。いずれかと思った。出てきたのは熊谷。実は、というほどのことでもないかもしれないが、熊谷が途中からショートの守備につくのは今季初だ。スタメン遊撃は甲子園でのオリックス戦を含む5試合があるのだが、試合途中では初めてだった。

野球では古くから「代わったところに打球が飛ぶ」と言われる。はたして、この回先頭の代打・二俣翔一の打球は遊撃へのゴロに。しかも、やや不規則なバウンドで転がった。これはやるかも…と一瞬、思ったが熊谷は2、3歩ステップ。腰を落とし、受ける形で無難に処理した。あそこは落ち着いて入れたのか?

「いや、緊張しました。ちょっと、グラウンドが痛んでて。ちょっと探りながら、いきました」。やはり途中から重要な守備位置につく難しさ、プレッシャーは感じていたようだ。目立たないがそれを乗り越えてのプレー。だからこそ8回にダメ押しの2点適時打を放つこともできたと思う。

「冷静だからね。たとえ試合に出なくてもしっかり準備している。きょうも試合前に遊撃でノック受けていたし。きのうは左翼だったけど」。内野守備兼走塁コーチ・田中秀太も、そう評価したのである。

途中までどうなるか分からない試合展開だ。それでもそこには阪神、広島両軍の勢いの差、流れがある。4回に1点のリードがついた時点で虎党も広島ファンも「これは…」と感じていたのではないか。点差だけ見れば、それほどでもないが阪神には鉄壁のブルペン陣が控える。そこに今季の強さがあるのだ。

そこに加え、堅守が光る。失策数「41」は「38」の中日についでベスト2位。土のグラウンドを本拠にしていることもあり、長い間、守備は課題になっていたが首位を突っ走る今季はそこも克服しつつあるようだ。「投手を中心にした守りの野球」。それを控えの熊谷が体現したと思う。優勝マジックが点灯した日に派手さはなくとも、それを強く感じたのである。(敬称略)

【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




阪神対広島 8回裏阪神2死満塁、熊谷は中前へ2点適時打を放つ(撮影・加藤哉)


阪神対広島 8回裏阪神2死満塁、熊谷は中前へ2点適時打を放つ(撮影・加藤哉)






このコラムにはバックナンバーがあります。











NPBHUB.COM | The Fanbase of Nippon Baseball & Nippon Professional Baseball