
<神・D>4番手で登板したネルソン(撮影・大森 寛明)
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【畑野理之の談々畑】阪神のニック・ネルソンが2死から二塁打を許したものの危なげなく無失点。7―1とリードが広がってホールドすらつかない8回のマウンドだったが、個人的には大きな意味があったと思う。
スタンドで観戦した新外国人のグラント・ハートウィグの視線が気になっていた。猛虎を知り、甲子園の熱気を感じ、いつかここで投げるイメージを膨らませていた。6年ぶりに復帰したラファエル・ドリスはこの日、ウエスタン・リーグの広島戦(由宇)で1回を無失点。同じリリーフというポジション、外国人枠のライバルとなるこの2人の存在が気にならないわけがなく、点差に関係なくネルソンにとっては大事な登板だったわけだ。
今からおよそ5カ月前、沖縄・宜野座キャンプ中の2月17日のこと。ライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板したネルソンを見た亀山つとむ氏(本紙評論家)が一瞬で気になったことを、当コラムで書いた。「左足を上げた時に、右手がグラブから少し離れる。握っているボールとグラブの間に数センチの距離ができるので、研究されればすぐに球種がバレてしまう」――。捕手の後方に立っていると直球、カーブ、チェンジアップと球種を替えるごとに右手首が立ったり寝たり、角度の違いが分かったという。現役時代からの習性で、投手の癖などすぐに目についてしまうのだとか。日本の野球、特にセ・リーグではどんなに良い球を投げても対応されれば通用しないと危惧していた。
直接、ネルソンに確かめた。その答えは投げ方を変えるのは難しいので、開幕後にグラブを大きくしたという。「右手が動いた時にボールの握りが相手に見えていたかもしれないんだ。だからグラブを少しタテに長くしたのを注文したよ。対戦チームからジッと見られているような気はしたことがあったしね」
8日の広島戦では初めてナックルボールを投じて、田中広輔を投ゴロに打ち取っている。受けた捕手の梅野隆太郎が「最初に違うサインを出したら首を横に振ったので、まさかと思って、ちょっと前から投げたいと言っていたナックルのサインを出したらうなづいた。よく揺れていた」と話すように、助っ人右腕はもっともっと自身を高めようと必死だ。
防御率は1・08。石井大智が不在の間は勝ちパターンの継投にも入った。交流戦の楽天戦で2度走られたが、セ・リーグ相手ではまだ許盗塁0なのも、もしかしたら大きくなったグラブの効果なのかもしれない。日本野球への順応力は、ライバルに対してのアドバンテージにしたい。
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