
巨人・桑田真澄が中日・小森哲也から空振り三振を奪い終戦。中日ベンチは引き揚げようとしなかった / 2年ぶり4度目となるリーグ優勝での胴上げ。長嶋は「今年は選手諸君のパワーに助けられました」と語った
「国民的行事」から2年、竜戦士たちはまたしても喜色満面で宙を舞う敵将の姿を目の当たりにする。エース、スラッガー、そしてスコアラーが抱いた憧れと対抗心をもとに、メークドラマを紐解いた。(原題:[中日から見た2つの胴上げ]1994.10.8&1996.10.6 敵愾心と憧憬の狭間)
1996年のセントラル・リーグは読売ジャイアンツを主役として秋を迎えていた。最大で11.5ゲーム差をつけられていた広島東洋カープから首位を奪い、優勝を目前にしていた。世の中の関心は指揮官の長嶋茂雄が自ら「メークドラマ」と名付けた逆転劇がいつ、どんな形で完結するのかに集中していたが、最後の最後まで、そのシナリオに抵抗している男たちがいた。
10月5日、ナイター照明に光るナゴヤ球場は秋風を拒むような熱気に包まれていた。7回表、中日ドラゴンズは広島を相手に1点差とされ、なおノーアウト満塁というピンチを迎えたが、ここでグラウンド脇のブルペンからマウンドへ向かったのが今中慎二だった。チームトップの13勝を挙げているエースの登場に観衆は沸いた。
先発の柱として誰より多くのイニングを投げてきた今中がスクランブル登板したのは後がない状況だったからだ。2位につけている中日が残り4試合のうち一つでも落とせば、その瞬間に巨人の優勝が決まる。逆に全勝すれば、同率でのプレーオフに持ち込める。わずかな可能性にかけて、指揮官の星野仙一と選手たちはトーナメントのような戦いを続けており、今中自身もいつでもマウンドに上がるつもりだった。
〈ブルペン入るのは慣れとるから。若い頃から、先発して中1日で待機とかあったから。また俺かっていう気持ちもない。全然分からない人に言われたら、うん? となるけど、星野仙一という人をある程度理解していたから。最後の最後まで狙う。星野さんはそういう人だから〉
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