田中将大、ライデル・マルティネス、甲斐拓也が加わった巨人の補強が話題になっている中で――楽天、中日OBである解説者の山崎武司氏は古巣の対応を含めてストーブリーグをどう感じるか。本音で一刀両断する。〈全3回の2回目〉

将大が希望していたのは必要とされている球団で…

 楽天OBで野球解説者の山崎武司氏が、巨人入団が決まる前の田中将大と電話でコミュニケーションを取っていたのは第1回で触れた通りである。その電話口から感じ取ったのは、報道内容と田中自身の思いとの乖離だったという。

「将大が希望していたのは自分が必要とされている球団でプレーすることだけでした。全国どこの球団にも行くと話していましたし、お金は今までに十分稼いでいますからね。全く根拠のない報道によって移籍の可能性がつぶれてしまうことを心配していました。『通算200勝に興味はあるの?』と聞いた時は、『全然興味ないです』と即答していました。将大の心の中にあるのは、選手として悔いなくやり切って終わりたい気持ちだけだと思います」

 新天地が巨人に決まった田中は、やり切るチャンスを得た。ただ、今季は手術した右肘の影響で、わずか1試合の登板に終わった。メジャーから楽天に復帰した2021年から4年間で20勝33敗と結果を残せていないことから、復活は難しいという見方もある。楽天時代に全盛期を間近で見てきた山崎氏は「24勝0敗だった2013年を100とすると、今の力は50~60くらい」と表現する。

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 18歳でプロの世界に入った田中は現在36歳。威力のある直球で打者をねじ伏せ、変化球で三振を量産する投球スタイルを追い求めるのは難しい。それでも、多彩な変化球と制球力の高さ、打者を打ち取る引き出しや要所を締める術は勝てる投手の要素となる。

中日でカムバック賞を取った松坂と重なる

 山崎氏が今の田中と重ねるのは、2018年に中日でカムバック賞を受賞した松坂大輔氏だ。米国から日本球界復帰後、ソフトバンクでは3年間で1試合の登板にとどまったが、移籍した中日の1年目に11試合で6勝を挙げた。山崎氏はこう語る。

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