昨季のリーグ王者、ソフトバンクが苦しんでいる。シーズン序盤には実に12年ぶりとなる単独最下位に沈むと、夏を前にいまだBクラスとを行き来している。かつて同球団のフロントとして“常勝軍団”を作り上げた小林至氏が考える「最強組織」復活のために必要なこととは?《NumberWebインタビュー全2回の2回目/最初から読む》
――2005年から10年間、ソフトバンクのフロントとして球団運営に携わってきました。チームを強化していくために心掛けていたところとはどこにありますか。
小林 私が在籍していた当時、特に意識していたのは「人の入れ替え」でした。2010年から編成と育成を任されるようになってからは、その方針を一層明確に打ち出しました。たとえば2010年シーズン中には(ロベルト・)ペタジーニを獲得し、11年にはオリックスから(アレックス・)カブレラ、そして横浜(現DeNA)からFAとなった内川(聖一)を迎え入れました。いずれも即戦力としてチームを押し上げてくれることを期待した補強でした。
当然ながらこうした補強によってポジションが重なるベテラン選手の中には、複雑な思いを抱かれた方もいたと思います。それはごもっともな感情ですし、私自身もそのことは常に意識していました。直接私に何か言われることはなくとも、「小林には納得がいかない」といった声が記者の方を通じて耳に入ることもありました。ただ、当時の私の立場としては「チーム全体としてどうすれば競争力を高められるか」という視点からの判断でした。もちろん、すべてがうまくいったとは思っていませんが、必要な時期に必要な決断をするというのが、編成を預かる者の責任でもあると考えていました。
スカウト部長を…二軍監督に!?
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――このあたりでは、選手だけではなくチームスタッフの配置転換にも積極的でした。
小林 そうです。大きな例でいえば、2011年にそれまでスカウト部長を務めてこられた小川(一夫)さんを二軍監督に任命したことが挙げられます。
――杉内俊哉選手、川崎宗則選手と地元・九州の金の卵を数多く発掘してきた小川さんを二軍監督とした理由は?
小林 小川さんには、長年スカウトとして数々の有望選手を見出してきた確かな眼力があります。それに加えて「二軍はフロントと現場が一体となって選手を育てていくべき」という私の考えを、深く理解してくれたことが大きかったですね。チーム全体の育成体制をより機能的にするための人事でもありました。
とはいえこの配置転換には、現場内外からさまざまな反応がありました。先ほどお話しした補強と同様に、選手を含めた現場の方々からは、少なからず戸惑いや反発の声があったのも事実です。

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