「1日の最高売上は350杯です」。東京ドームで絶大な人気を誇ったビール売り子は、いかにして観客席からグラウンドへと活躍の場を変えることになったのか。読売巨人軍の公式マスコットガール「ヴィーナス」に所属する大倉かりんさんに、知られざる“ビール売り子の実情”と強烈なジャイアンツ愛を語ってもらった。〈全2回の後編/最初から読む〉
1994年に結成され、プロ野球のチアガールとしてはもっとも長い31年の伝統を持つ「ヴィーナス」。総勢21名のメンバーが球場で披露する華麗なパフォーマンスに、老若男女を問わず多くのファンが魅了されている。
筋金入りのジャイアンツファンを自認する大倉かりんさんは、元ビール売り子という経歴を持つヴィーナスの現役メンバー(2年目)だ。ビール売り子とチアガール。近いようで遠い“異例の転身”は、なぜ実現したのだろうか。
「試合が見られる!」とアルバイト応募
――大倉さんはどういったきっかけで売り子の仕事を始められたんでしょうか。
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大倉かりん(以下、大倉) 実家は長野なんですけど、家族がジャイアンツファンだったので、私も子どものころから自然とジャイアンツを応援していて。大学進学で上京したときに、「東京ドームの売り子なら試合が見られるかも!」と思ってアルバイトに応募したんです。でも、実際にやってみると仕事が大変すぎて試合を見る余裕はまったくありませんでした。
――サーバーの重さは約18kgと聞きました。そんな重量を背負って絶え間なく段差を行き来するわけですから、相当な重労働ですよね。「これ、無理じゃない?」とは思いませんでしたか。
大倉 思いました(笑)。最初に1日やってみて、翌日もシフトに入っていたんですけど、「もう背負いたくない」と心の底から……。筋肉痛で、バイトに行くまでの階段がつらすぎました。たぶん一生覚えてます、このつらさは。
――重さには慣れるものなんですか?
大倉 いつの間にか慣れちゃいましたね。筋力がつくんですよ。脚はむしろ細くなるんですけど、4年間続けた結果、最終的に肩の厚みはいまの2倍くらいありました(笑)。
――4年も続けていたら、東京ドームでも名の知れた存在になったのでは。
大倉 1年目のシーズン後半くらいからお客様にも覚えてもらえるようになって、体力的にも余裕が出てきて。素直に「楽しい!」って思えるようになりましたね。

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