笑顔を見せる阪神・中野(撮影・平嶋 理子)    
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 阪神・中野拓夢内野手(28)が、スポニチの独占インタビューに応じ、目下リーグ単独トップ(・386)の出塁率を今後も最重視してチームに貢献すると誓った。不動の1番・近本、森下、佐藤輝の強力な3、4番の前を打つ「つなぎの2番」の役割を全うする決意の表れ。その姿勢を2年ぶりのリーグ制覇、日本一へとつなげる。現行の出塁率の計算方法になった85年以降、2番打者がタイトルを獲得すれば初めての快挙になる。(取材・構成 倉世古 洋平、八木 勇磨)

――23年に制約の多い2番でリーグ最多安打のタイトルを獲った。今季、重きを置くのは打率か安打数か。

 「いいえ、出塁率です。もちろん打率も大事です。でも、バントなど制約が多い打順です。近本さんが出塁したら盗塁を待つこともあり、積極的に打ちにいけないこともあります。チームのために何ができるか、となれば、四球でもいいから塁に出ること。四球は凄く価値はある。出塁率を上げれば、後ろに還してくれるバッターがいるので。今はまず出塁を考えています」

 ――なぜ出塁率を重視?

 「今のところ、結果的に数字(出塁率・386)が出ています。上位打線を打つのであれば出塁率が大事。自分の出塁率が高ければ、得点や後ろのバッターの打点が増えます。クリーンアップの前に、いかに出塁するかが大事だと思う。ヒットって、そんなに簡単に打てるというわけでもない。そこは四球が凄く重要かなと思います」

 ――その中で、交流戦終了時点でリーグ3位の打率・306。

 「(開幕当初は)ヒットがなかなか出ず、モヤモヤした気持ちもありましたけど、ヒットが出てからは、自分がやってきたことを変えずに、貫けています。シーズンに入ってからも、和田コーチ(1、2軍打撃巡回コーディネーター)に“こうなっている、ああなっている”と打撃指導をしていただいて、練習で修正しながら、ここまでよくできていると思います」

 ――昨年に比べて低めの打率が高い。

 「昨年は“強い打球を打ちたい”というので、体が引っ張りにかかってしまっていました。外のボールを打ちにいくのではなく、体に近いボールを強く打つという感じでした。その結果、スイングが“横振り”になり、低めを拾って打てなかったんです。今のようにセンターから逆方向への意識があれば、多少ボールに見える低めにも体が残って、うまく拾えるスイングの軌道にもなる。そこの違いは大きくあるかなと思います」

 ――昨年は長打を増やす取り組みをした。打率・232と苦しんだが無駄ではなかった。

 「結果は出なかったですが、それをプラスに捉えなきゃいけない。自分はタイプ的にそういうこと(長打量産)をやるべきじゃなかったということが、凄く分かった。失敗を踏まえて(取り組みを)やってよかったと思えるシーズンにしたいと思っていたので、まだまだ先はありますけど、いい経験にはなったかなと思います」

 ――結婚して2年目。夫人のサポートで深みを増した部分は。
 「栄養バランスを考えて料理を作ってくれるし、自分の体を気にしてくれることが凄く多くなりました。そこは本当に感謝しています」

(下)に続く

 ○…阪神選手の最高出塁率タイトルは、現行の計算方法となった85年以降では85、86年バース、92~94年オマリー、11年鳥谷敬、23年大山の4人が7度獲得している。

 ○…中野は今季チームの全70試合で先発出場して69試合が2番、1試合が8番。シーズンで主に2番を務めた打者が同タイトルを獲得すれば85年以降のプロ野球で初めて。過去の最高出塁率選手、両リーグ延べ80人のシーズン中最多の打順は、1番、3~5番の4打順に限られており、上位打線ではつなぎ役が多い2番だけタイトル獲得者がいない。

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