「長嶋さんと過ごしたあの2週間は、私にとっての宝物です」元フジテレビアナウンサー・岩佐徹さんが証言する長嶋茂雄。『プロ野球ニュース』を担当していた岩佐さんが現地で見た“長嶋が引退した日”。【全2回の前編/後編も公開中】
そう話すのは、フジテレビ、WOWOWでスポーツ実況を務めた岩佐徹さんだ。
「長嶋さんは1936年の早生まれ。私は1938年生まれですから、長嶋さんの活躍をリアルタイムで追いかけることが出来ました。幸せなことでしたよ。まず、長嶋さんは東京六大学野球の人気をグンと上げました。当時の六大学はプロ野球以上の人気を誇っていて、それはすごいものでした。とはいっても、実のところは戦前から続く“早慶”人気だったんです。それを立教の長嶋さんは、通算8号の本塁打記録を樹立した。当時の日本では大ニュースでした」
「南海に決まっていたのを巨人がひっくり返した……ということはずっと言われていました。六大学の大スター、長嶋さんが巨人に入ったことで、プロ野球人気に火がつき、視聴率は軒並み20パーセント、時には30、40パーセントを超えるほどの人気を博すようになります」
岩佐さんがフジテレビに入局したのは1963年。慶応義塾大学放送研究会出身の青年は、プロ野球を担当するようになる。
「今もフジテレビONEで『プロ野球ニュース』をやっていますが、第一期の『プロ野球ニュース』は1964年から放送が始まりました。それまでのスポーツニュースといえば、各局とも巨人戦だけを2、3分のダイジェストで流すだけでしたから、試合の流れを追う『プロ野球ニュース』は画期的だったと思います。当時はビデオもありませんから、試合を終えて帰宅した監督、コーチ、選手たちがみんな見てくれるんですよ。それで現場でも私を認識してもらえるようになりました」
ただし、フジテレビは後発局。日本テレビとのつながりが強い巨人の取材となると難しい面もあった。

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