リチャードとのトレードで巨人からソフトバンクに加入した秋広優人、22歳。「抜群の素材をどう育てるのか?」。電撃トレードから1カ月、現地記者がソフトバンク大物関係者たちから証言を集めた。【全2回の1回目】

 一驚を喫した電撃トレードから1カ月。巨人からソフトバンクにやってきた秋広優人は、まだ福岡での住まいが見つからずにホテル暮らしをしている。

 移籍から概ね1カ月が過ぎると球団からの補助がなくなるようなのだが、「なかなか探す時間がなくて。でも自分の住む場所だから、もし自腹になってもしっかり考えて決めたいんです」と事もなげに言った。

 秋広らしいなと思った。

「まさか秋広を放出するとは…」記者の驚き

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 ソフトバンクへの入団会見の時も含め、秋広がたびたび口にする言葉がある。

「身長があるのでホームランバッターに見られがちですけど、自分は率の方が自信があると思っています」

 身長2mの体躯。巨人では2023年シーズンに高卒3年目の若さで121試合に出場し、規定打席まであとわずかの439打席に立ち、打率2割7分3厘と2桁本塁打となる10ホーマーという成績を残して輝かしい未来を予感させた。レジェンドである松井秀喜の背番号55を与えられていたことも、長距離砲としての期待値を加速させた。

 秋広を一軍で積極的に起用した原辰徳前監督も、ファーム時代をよく知り現在は一軍を率いる阿部慎之助監督もホームランバッターに育てようと手を尽くしたようだった。だが、秋広という男は自分が心底納得しなければ邁進できない気質なのだろう。我を貫く頑固さはプロの世界で台頭するのに必要な要素でもある。しかし、ボタンの掛け違いが成績低迷の一因となったのかもしれない。

 2024年は26試合、打率2割6分1厘で本塁打0。この2025年は開幕二軍スタートで、5月3日に昇格するも5試合出場で8打席に立ちシングルヒット1本のみ、7打数1安打と振るわずに、5月12日のトレードに至ったというわけである。

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