名古屋に“ドラゴンズファンの聖地”と呼ばれる中華料理店がある。「おやじ、今時間あるか?」星野仙一が通ったお店。「ピカイチ」は中日関係者、ファンからなぜこれほど愛されるのか?【全2回の後編/前編も公開中、NumberWeb中日特集】
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なぜ中華料理店で入団交渉?
そもそも取材班はなぜ「ピカイチ」を訪れたのか。
中日関連の資料を漁っているときだった。ひとつの記事に違和感を覚えた。
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〈中日育成ドラフト1位の名大・松田亘哲(ひろあき)投手(22)が11日、名古屋市千種区にある中華料理店で入団交渉を行い、支度金200万円、年俸300万円で仮契約を交わした。中日ファンの聖地でもある「ピカイチ」で入団交渉を終えた松田は地元での飛躍を改めて誓った〉(日刊スポーツ/2019年11月12日)
引っかかった箇所は、松田が名古屋大出身であることでも、提示された金額でもない。
中華料理店で入団交渉……?
入団交渉は、ドラフトで指名された選手が契約金や年俸、インセンティブなどを話し合う重要な場だ。会場は由緒ある地元の名ホテル。それが基本線だと思っていた。事実、同じ2019年ドラフト1位・石川昂弥の入団交渉を伝えた内容には「名古屋市内のホテル」と書かれている。記事の写真はシャンデリアが光る部屋でバットを構える石川だ。
ところが松田は中華料理店で行われたという。サラッと記された「中日ファンの聖地でもある」ピカイチとは一体どんな店なのか。行かない手はなかった。
「井上(一樹)さんがお見舞いに来てくださって…」
ピカイチは名古屋東部、地下鉄今池駅から徒歩5分の繁華街にある。1965年創業、店主の兵頭忠保さんが2代目にあたる。歴代監督や選手、OBと店のつながりを尋ねれば、サラりとこんなエピソードが出てくる。
「井上(一樹)さんが監督になられてキャンプに行かれる前に、当時入院していた大ママ(兵頭さんの母)のお見舞いに来ていただいたんです。LINEでつながってるみたいで」

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