球団史上初の3年連続最下位……苦しんだ立浪ドラゴンズ。その再建を託された、井上一樹監督(53歳)とは何者なのか。現役時代20年間をドラゴンズ一筋で過ごした男。名古屋での密着取材で分かった素顔とは?【全2回の後編/前編も公開中】
ふと目を離すと井上一樹を見失う。試合前の練習中、幾度となく焦った。とにかくよく動く。そしてコーチ数人と背格好が似ているからだ。
試合の開始が18時の日、選手は13時半頃からバラバラに球場に現れる。私が見た2日間いずれも、最初に登場したのは上林誠知だった。ストレッチ、キャッチボール、ノック、打撃、バントとルーティンの練習を行っていく。
5月13日、豊橋市民球場に中田翔の姿もあった。が、14時ごろに中田がひとりベンチ裏に向けて歩くのを見た。その際、グラウンド整備を手伝う地元の学生10人が、戻ろうとする中田の前を走っていった。中田は学生に軽く会釈しながら、全員が通り過ぎるのを待つ。浮かない表情ではあった。そのまま二軍に降格したことは夕方に知った。
14日のバンテリンドーム、一軍に昇格したブライト健太のバント練習中、野手総合コーチ・飯山裕志が注意する。気を抜いていると見えたのだろう。ブライトの表情に真剣さが戻る。
13日は14時20分、14日は15時過ぎ。井上がグラウンドに姿を現した時間だ。ゲージの後ろや、セカンドベース付近で打撃練習を観察している。手に持つのは左投げ用のファーストグラブのときも、グラウンド整備用のトンボのときもあった。
山本泰寛の肩を掴みながら笑い合っている。井上がバントのポーズで茶化す。前日のバント失敗をイジっているようだ。

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