埼玉西武ライオンズの快進撃が止まらない。今シーズンはここまで貯金3の3位(5月23日時点)と、球団ワーストの91敗を喫した昨シーズンの歴史的低迷が嘘のような躍進だ。今シーズンから指揮を執る西口文也監督の手腕とは? ライオンズ一筋21年の右腕の知られざる原点とその横顔を探った。〈全2回の前編/後編を読む〉
連勝中だったこの日、インタビュールームに現れた西口監督はニヤリと笑い、その手で顎を撫でた。
「選手の時はそういうのは全くなかったんだけど、今は勝ちたいからね。監督になって勝ちたい欲が強いから、験を担ぐようになったんです」
飄々とした、という形容が似合う。指揮官としてベンチに座る表情に、激しい喜怒哀楽の色はない。かといって、終始ポーカーフェイスの「鉄仮面」というわけでもない。アルカイックスマイルを浮かべながら、いいプレーが出れば目尻を下げ、ピンチには少し困ったように眉を下げる。
「先発投手として自分がマウンドに上がっている時から、あまり表情は出さないようにはしていました。嬉しい時はいいかもしれませんが、打たれて落ち込んでいる姿は、周りの人には見せちゃダメ。そこはベンチでも一緒だと思うんですよ。監督が怒り狂ったり落ち込んだりしている姿を、選手も見ているかもしれない。だから僕はずっとこういう感じです。穏やかに、穏やかに……」
柳に風。現役時代、その投球フォームも柳のようにしなやかだったことを思い出す。そこから投じるキレのあるストレートとスライダーを武器に、淡々とアウトを重ね、182個もの白星を積み上げた。

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