強肩強打の山本祐大26歳を中心に多士済々のDeNA捕手陣。そこに割って入ろうと猛アピールしているのが2022年のドラフト1位、松尾汐恩である。現在大ブレイク中のバッティングはもちろん、守備でも進境著しい20歳に充実ぶりを聞いた。〈全2回の1回目/つづきを読む〉

 その魅力的なバッティング能力ゆえ、しばしばコンバートやサブポジションの有無が議論される横浜DeNAベイスターズの松尾汐恩であるが、そのことについて尋ねると若き扇の要は真っすぐな目で言うのだ。

「キャッチャーというポジションに魅力を感じていますし、やっぱり正捕手を獲りたい。自分としては獲る気でいるんで」

 覚悟が滲むその言葉に、場の空気はピリッと引き締まるような雰囲気に包まれた。

プロ1号HRは出たものの…

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 プロ3年目、昨シーズンに引きつづき開幕ベンチ入りをゲットしたが、スタート当初は打撃で苦しむシーンが多く見られ、3・4月の成績は15試合23打数4安打で打率.174と低調なものだった。

 ただ、開幕カードの3月30日の中日戦(横浜スタジアム)では、プロ1号となる本塁打を放ちファンの大歓声を浴びた。松尾はその瞬間のことを次のように語る。

「打った瞬間は入るかな~と思ったんですが、何とか届いてくれと思いながら走っていましたね。嬉しかったですし、なによりホッとしたという気持ちが一番でした」

 記念すべき一発。喜びはありつつも、根本的な打撃の状態は上がらず、心のなかには靄がかかったままだった。

「開幕当初はやっぱり自分の思うようなバッティングができず本当に悩みました。毎日感覚が違ったし、ああしても上手くいかない、こうしても駄目だということがつづきました。なかなかバチッとくるものがなくて……」

「バチッときた」

 その状況が払しょくされたのが、4月27日の広島戦(横浜スタジアム)だった。この日、松尾は四球、右飛、三振に終わっているが、自分の打撃にこれまでにない手応えを感じていた。

「練習からいろんなことを試していたのですが、それがバチッときたんですよ。開幕から試行錯誤を重ねてきて、ようやく状態を上げていくきっかけを掴むことができたんです。これまでとは違い、経験も含め自分のなかでもいろいろ考え方が変わってきて、それがいい方向に繋がっているのかなって」

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