
DeNA森敬斗が陥った打撃の沼…周囲は手に取るように分かっても、本人は気付かない
今回の田村藤夫氏(65)の「プレミアムリポート」は、6年目のシーズンを迎えたDeNA森敬斗内野手(23=桐蔭学園)です。
ゴールデンウイーク中の5月4日、イースタン・リーグのDeNA―日本ハム戦を見に横須賀スタジアムを訪ね、1軍昇格へのきっかけをつかもうと、バッティングにもがく様子を目の当たりにしてきました。
どうぞ、ぜひ、最後までご覧ください。
プロ野球2025.05.13 06:00
「田村藤夫のプレミアムリポート」連載一覧
お陰さまで「田村藤夫のプレミアムリポート」の連載が100回に到達しました。飛躍を期して鍛練を積む若手を、田村氏が親身に取材。「日刊スポーツ・プレミアム」の看板コーナーに育ちつつある長期連載を、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
打席の森は自信なさげでも、覇気がないようにも見えなかった。
開幕から1軍スタメンでショートで起用され、レギュラー取りに一番近い理想的なシーズンのスタートだった。それが、開幕から13試合、スタメン出場しながら打撃が上向かずに降格した。
打席でどんな工夫をするのか、アグレッシブにバットを振っているのか、私は集中して見入った。
残念ながら、不調は明らかだった。端的に言えば、上体が前に出されてしまっている。体重が軸足の左に残っていない。
私が現役時代、スランプに陥った打者への攻略はシンプルだった。打たれない攻め方を繰り返すだけで良かった。
捕手の位置から打者を観察していると、ちょっとした動きの違いに、好不調の兆しが見えるものだ。それは、調子がいい時の打撃フォームが頭の中にイメージとして残っているからで、無意識のうちにその残像と今の体の動きを比較すると、どこに違和感があるのか、おおよその見当はついた。
例えば、上体が前に出てしまう、もしくは、かかと体重になっている、そして体の開きが早い。スランプに陥る打者はこうしたいくつかのパターンの中で苦しんでいることが多かった。そして、捕手はそうした打者の苦しみを逆手に取ることで、確実にアウトを稼いだ。
決して捕手としての特性をひけらかしたいのではなく、この日、森のバッティングを見て、どうして調子を落としているのか、私なりに納得できた部分があった、ということだ。
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1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。
関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。
93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受け(日本ハムに残留)、96年オフには、当時の王監督(現会長)から直接電話でダイエー(現ソフトバンク)移籍を決断。07年から中日落合監督に請われて入閣した。
ONと落合氏から高く評価された捕手だが、田村氏はそうした経緯について「自分から人に話すことではない」というスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。プロ通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。

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