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1989(平成1)年3月場所14日目(3月25日)、
横綱千代の富士が対横綱大乃国戦に勝利、
27回目の優勝を飾るもののこの相撲で左肩を脱臼、
支度部屋へ引き上げた後に当時の伊勢ヶ濱親方(元大関清國)が
外れた肩を入れる応急処置を施す。
【注釈】
千代の富士は、先天的に肩関節窩が常人より浅いため、
外転、外旋動作で容易に脱臼してしまう体質だった上、
特に左肩は初期治療を怠ったために周囲の靭帯が完全に伸びており、
殊更脱臼しやすい状態だった。
昭和54年3月場所7日目、対播竜山戦で、
これまで左肩ばかりだった脱臼が初めて右肩に生じたことをきっかけに、
抜本的な改善を迫られた。
1.手術によって関節窩を人工的に深くする
寛骨(骨盤)から骨片を取り、烏口突起に移植して延長することで
ストッパーとし、関節窩から肩を外れにくくする。手術とリハビリを経て、
稽古再開までに約半年かかる。
2.周辺筋の強化により、肩関節周辺を物理的に固める
上腕二頭筋、肩甲下筋をはじめとした回旋腱板筋群を強化し、
上腕骨を肩関節に押し付ける力を強くすること、
三角筋や僧帽筋を強化し、コルセットのように
巻き付ける力を強くすることで脱臼しづらい関節にする。
千代の富士は「2」を選択、翌場所は初日2日目と休場しただけで
敢然と出場して見事勝ち越し、そこから快進撃が始まり、
わずか2年後の56年1月場所に初優勝、場所後に大関へ昇進した。
参考文献:「小説 横綱千代の富士」 大下英治 1991年 毎日新聞社

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